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SNSを開けば友だちの結婚報告、書店の棚にはブライダル雑誌。街のあちこちが「みんな前に進んでいるよ」と言ってくるみたいで、「私、この歳まで彼氏がいたことがないんだ」という事実が、急に重たくのしかかってくる夜があります。何歳まで大丈夫なんだろう、もう手遅れなのかな、と。

「私に魅力がないからだ」と思い込んで自分を責めた日々のことなら、痛いほど覚えています。

アプリで二回会った人から、急に返信が来なくなったことがありました。既読はつくのに、何も返ってこない。私はその五日間、自己紹介を短く書き直して、写真を笑顔のものに差し替えて、最後には体型や会話の量や、沈黙の時間まで、思いつくことを全部「私のせい」にしていました。返信が来ないのは、私に魅力がないからだ、と。

だから、あなたが今「この歴は、私がダメな証拠だ」と思っているとしたら。その苦しさの入り口だけは、きっと隣で分かる気がするんです。

彼氏がいなかった理由は、たぶんもっと単純です。ただ、まだ縁がなかっただけ。その理由を、ここから順に書きます。

① 「何歳まで大丈夫?」に、正直な答えはありません

「彼氏いない歴=年齢は何歳まで許されるか」という問いには、正直な答えがありません。

三十歳までなら、三十五歳までなら、と区切ってくれる記事はたくさんあります。「何歳まで許容できますか」と男性にアンケートを取った結果を、割合で並べているものも見かけます。でも、あの数字を見て、あなたの気持ちはほんの少しでも軽くなったでしょうか。たぶん、逆ですよね。「三十五歳を過ぎたら、もう」と、締め切りを一つ増やされたような気持ちになる。

「何歳まで」という問いの厄介なところは、答えがどうであれ、あなたを追い詰めることです。期限が近ければ焦るし、まだ先だと言われても「でも今のままじゃ」と不安は消えない。

あなた

期限を決めれば、動ける気がしていました。

ひなた

決めた期限に間に合わないと、今度はそれが新しい失点になります。

だから私は、この問いに数字で答えるのをやめました。代わりに、その問いを立てさせているものの正体を、いっしょに見ていきたいんです。あなたが本当に知りたいのは「何歳まで」ではなくて、「このままの私で、大丈夫なのかな」ということだと思うから。

② 「彼氏いない歴=年齢」の人は、あなたが思うより、ずっと多い

「彼氏いない歴=年齢」で悩んでいるのは、あなただけではありません。むしろ、驚くほど多いんです。

調査によって数字には幅がありますが、三十代の女性で「これまで交際経験がない」と答えた人は、だいたい三割から四割ほど、という結果が複数出ています。三人か四人に一人、という割合です。あなたが電車で見かける女性も、職場で隣の席に座っている人の中にも、同じことを検索した夜がある人が、きっといます。

夜に一人でスマホを見ていると、世界中で自分だけが取り残されている気がしますよね。SNSを開けば、結婚報告と、家族写真と、幸せそうな知らせばかりが流れてくる。でも、あれは「報告したい人が、報告したいことだけを出している」画面です。「彼氏いない歴=年齢で、今日もちょっと落ち込んでいます」なんて、わざわざ投稿しない。だから見えないだけで、同じ気持ちの人は、あなたのまわりにも静かにいます。

「私だけが異常なんだ」という感覚。それは事実ではなくて、夜のスマホが見せる錯覚なんです。

③ どうして「私には価値がない」と思ってしまうんだろう

数字を知っても、たぶん心のいちばん深いところは、まだ晴れないと思います。「珍しくないのは分かった。でも、それでも私に彼氏ができなかったのは、私に何か問題があるからでしょう」って。

あなた

結局、これだけ長く一人ってことは、私に魅力がないってことですよね……。

ひなた

「一人だった時間の長さ」と「あなたの魅力」は、あなたが思うほど結びついていないんです。

私たちは、結果から原因をさかのぼって考える癖があります。「彼氏がいない」という結果があると、「だから私に原因がある」と、自分の中に理由を探してしまう。写真がよくないのかな、自己紹介が硬かったかな、と。返信が来なかった五日間、私が自分のすべてを疑ったのと、同じ回路です。

でも、出会いって、あなた一人で完結するものじゃないですよね。相手がいて、タイミングがあって、場所があって、そのぜんぶが噛み合ったときに、はじめて始まる。恋愛経験がないことは、「選ばれなかった」ことの証明ではありません。真剣に向き合える相手と出会う機会が、まだ巡ってきていない。それは時間の問題であって、あなたの価値の問題ではないんです。

「私がダメだから」は、事実として確定したことではありません。眠れない頭が出した、仮の結論です。朝の光の下で、もう一度だけ疑ってみてください。

④ 「何歳までに」と期限を決めるほど、遠回りになる

ここまで読んで、「じゃあ、早く動かなきゃ」と思ったかもしれません。その気持ちは自然です。でも、焦りに背中を押されて動くと、たいてい空回りします。私も、あの返信に追われて消耗した側だから、よけいにそう思うんです。

アプリを使っていた頃、来たいいねになるべくきちんと応えようとして、気づけば同時進行がいつも五、六人。平日も休日も、返信に追われていました。マッチしても、実際に会えたのは月に一人か二人。半年たって残ったのは、「同じような会話を、何度も繰り返している」という疲労だけでした。

その時点で分かったのは、「このまま続けても、行き着く先は同じだ」ということだけ。「どこで、どんな人と出会うか」がごっそり抜けていた——そう気づけたのは、もっとあとになってからです。

あなたが今、「何歳までに」と自分を急かしているなら、その焦りは、たぶん行動の質を下げます。焦っているときほど、「誰でもいいから」と自分に合わない場所に飛び込んで、そこでまた傷ついて、「やっぱり私はダメだ」と自己否定を上塗りしてしまう。それは、いちばん避けたい回り道です。

だから、順番を逆にしてほしいんです。何歳までに、を先に決めるのではなく、まず、どの出会い方なら自分が無理せずにいられるか、から考えてみる。気持ちが少し落ち着いてから動くほうが、結局は近道になります。

⑤ 「何歳から」ではなく、「どう出会うか」を変える

では、具体的にどうするか。答えはシンプルで、「何歳から始めるか」ではなく、「どこで出会うか」を変えることです。

恋愛経験が少ないと感じている人にとって、いいねが大量に来て、片っぱしから選別していくような場所は、正直しんどいと思います。私も、いいねの数そのものより、その中から真剣に向き合える人を選び続けることに疲れてしまった側なので、その気持ちはよく分かる。

向いているのは、たくさんの人をさばく場所ではなく、一人ずつ時間をかけられる場所です。同じアプリでも、遊び相手を探す人が混ざる場所と、そうでない場所とでは、届くいいねの質も、やり取りの温度もまるで違います。将来を見ている人が多い場所を選べば、「経験がないこと」はむしろ、誠実さとして受け取ってもらえたりします。

「彼氏いない歴=年齢」は、隠すものでも、克服してから出直すものでもありません。今のあなたのまま、合う場所に立てばいいんです。

合う場所を探すなら、こういう選び方もある、という一例です。

出会う場所のほうを、先に決めておく

「歴=年齢」そのものへの引け目が、まだ重たいままなら。もう少し広いところから、こちらでお話ししています。

「彼氏いない歴=年齢」って、そんなに変ですか?

よくある質問

Q. 彼氏いない歴=年齢だと、やっぱり引かれますか?

思っているほど引かれません。むしろ、恋愛経験の多さより「誠実そう」「まじめに向き合ってくれそう」という印象を好む男性は少なくないという調査もあります。引くかどうかは相手の価値観しだいで、あなたの価値を決めるものではありません。合わない人に引かれることを恐れるより、引かない人と出会う場所を選ぶほうが、ずっと建設的です。

Q. 相手に、正直に言わなきゃいけませんか?

言う義務はありません。聞かれてもいないのに、こちらから打ち明ける必要はまったくないんです。もし聞かれたら、そのときに正直に答えれば十分。これまで縁がなかったという事実を、負い目のように差し出さなくて大丈夫です。

Q. 何歳まで、なら間に合いますか?

「間に合う・間に合わない」で考えなくて大丈夫です。三十代でも四十代でも、そこから出会って一緒になった人はいくらでもいます。締め切りを自分で作ると、その締め切りが焦りを生んで、かえって遠回りになる。年齢を区切りにするより、「今日、どんな一歩なら踏み出せるか」で考えるほうが、前に進めます。

Q. 恋愛経験がなくても、結婚まで進めますか?

進めます。恋愛の場数と、結婚生活の相性は、別のものだからです。むしろ、いろんな人と付き合ってきた経験より、「この人と穏やかに暮らせそうか」を落ち着いて見られることのほうが、長い目で見ると大切だったりします。経験のなさを、マイナスからのスタートだと思わなくていいんです。

⑥ 最後に

歴の長さは、この先の可能性とは別の話です。縁のタイミングが、まだ来ていない。それを自分の落ち度みたいに数えるのは、もうやめにしませんか。何歳まで、と自分を追い詰める代わりに、あなたに合う場所を、ゆっくり探していけたらいい。

見るものを、年齢から場所へ移していきましょう。

※年齢の期限ではなく、「順番を飛ばしている気がする」ほうで足が止まっているなら。
恋愛経験を積んでから、じゃなくていい理由

何歳まで、という問いの奥に、「変だと思われないか」が隠れていることもあります。

その不安の正体を、ほどいていく話

年齢を数えるのに疲れて、いっそ手放したくなる日もあると思います。

諦めそうになった夜に、考えたこと

年齢や歴を人から聞かれるたびに落ち込んでしまうなら、その受け止め方の話も読んでみてください。

彼氏いない歴を聞いてくる男性の心理と、その受け止め方