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マッチングアプリで何度かやり取りして、「この人なら、会ったら楽しそうだな」と思って出かけていく。カフェで席について、飲み物が運ばれてきて、話し始めて5分。

……あれ。なんだか、思っていた人と違うかも。

そんなことが、私は何度もありました。

嫌な人ではないんです。むしろ、ちゃんとした人。話していて失礼なところもない。でも、心が「もう一度会いたい」のほうへ、なぜか動かない。

はっきり「無理」でもなければ、「好き」でもない。この、白でも黒でもないグレーの感じ。それを私たちは、たぶん「微妙」と呼んでいます。

この記事は、その「微妙」の正体をいっしょにほどきながら、その場で白黒つけなくて大丈夫な理由を、私の体験から書いていきます。実際に会った人は、累計で十数人ほど。その少なくない数が、この「微妙」でした。

その「微妙」を、いちど分解してみる

「微妙」という言葉は、便利なようで、自分でもよく分からないまま使っている気がします。分解してみると、私の場合はこんな中身でした。

  • 嫌いじゃない。でも、好きでもない。
  • 断る理由を探しても、これといって見つからない。
  • かといって、「次も会いたい」かというと、それも違う。

はっきり「この人は無理」なら、実はまだ楽なんです。ダメだった、で次に進める。つらいのは、この決めきれないグレーのほう。答えを出そうとしても出なくて、そのまま時間だけが過ぎていきます。

この宙ぶらりんは、あなたが優柔不断だからじゃありません。相手をちゃんと一人の人として見ているからこそ、雑に切り捨てられなくて、迷う。まずはその「決められなさ」そのものを、責めないところから始めさせてください。

毎回「微妙」でも、あなたの感覚は壊れていない

微妙が何回も続くと、だんだん相手のことより、こう思い始めます。「私、もう誰のことも好きになれないんじゃないか」。

私も、何度もそう考えました。「理想が高すぎるのかな」「減点ばかりしているのかな」「人を好きになる感覚を、忘れちゃったのかな」って。

でも、今振り返ると、逆でした。

「これは微妙だな」と、ちゃんと感じ取れている。それは、あなたの心のセンサーがきちんと働いている証拠です。もし本当に鈍っていたら、微妙なことにすら気づけません。「まあ、いいか」で流せてしまう。あなたはそれができないから、迷っている。

私の場合、好きになれなくなっていたわけじゃありませんでした。ただ、婚活を頑張りすぎて、心が疲れていただけ。ときめきは、スイッチのようにオンにできるものじゃありません。動かない心を無理やり動かそうとするから、苦しくなるんですよね。「ちゃんとした人なのに乗り気になれない私が悪い」——そう思わなくて、大丈夫です。

(「微妙」としか思えない日が続いているなら、ときめきより体力のほうが先に尽きる。)

なぜ「会うと微妙」に、なりやすいのか

もう一つ、知っておくと少し楽になることがあります。「会うと微妙」は、構造的に起きやすいんです。

マッチングアプリでは、会う前に、写真とメッセージだけで相手の像をふくらませています。「きっと優しい人」「話が合いそう」。その像が大きくなっているぶん、実際に会ったときのギャップも、大きく感じます。

しかも、そのギャップは悪いほうにばかり出るわけじゃありません。写真ではさわやかに笑っていた人が、会うとほとんど笑わなかったり。その逆も、ありました。表情も、話すテンポも、間の取り方も、会ってみないと本当のところは分かりません。

だから「会ったら違った」は、あなたの見る目のせいじゃない。文字と写真では分からないものを、会って初めて確かめた、というだけ。見抜けなかったんじゃなくて、会ったから分かった。ただ、それだけのことなんです。

「微妙」なときは、その場で決めず、一晩おいていい

では、この宙ぶらりんをどう扱えばいいのか。私がしていたのは、その場で決めないことでした。

あなた

その場で決められないのは、優柔不断ということでしょうか。

ひなた

私も、その日のうちには決められませんでした。

会っている最中に「あれ、なんとなく違うかも」と思っても、帰り道では結論を出さない。というのも、帰り道って、思っている以上に疲れているんです。初対面で気を遣って、笑顔で話そうと頑張って、「ちゃんと会話しなきゃ」と頭もフル回転している。電車では、いつもぐったりしていました。

その疲れた状態だと、「この人とは合わない」のか、それとも「婚活そのものに疲れている」だけなのか、自分でも分からなくなるんですよね。だから、その場では決めない。家に帰ってメイクを落として、お風呂に入って、ようやく一人になってから、「今日はどうだったかな」と振り返る。それでも結論は出さずに、一晩だけ寝かせるようにしていました。

不思議なもので、翌朝になると、気持ちがはっきりしていることが多いんです。「また会えたら嬉しいな」と思える人もいれば、「どう断ろう」が先に浮かぶ人もいる。その、朝いちばんに出てきた気持ちを、私は大事にするようにしていました。

もちろん、「早く返事しないと失礼かな」という焦りはあります。通知は目に入るし、相手を待たせたくない。でも、焦って「もう一回会います」と送ってしまうと、あとで「やっぱり違った」と後悔する。だから、一晩だけは自分の気持ちを整理する時間を持つ。それくらいは、もらっていいんです。

(この翌朝の気持ちをどう断りに変えるか、断るときの罪悪感については、会った相手を断るのが申し訳ないときに書きました。)

一回で分からなければ、もう一度会ってもいい

それでも迷うときは、もう一度だけ会ってみる、という選び方もあります。私も、一回目だけで判断するのはもったいない気がして、二回目に会った相手が何人かいました。

初対面は、お互い緊張しています。「今日はたまたま、話しにくかっただけかもしれない」。そう思って会ってみると、実際、二回目のほうが話しやすい人もいました。一回目は仕事の話ばかりだったのに、二回目は趣味の話で笑えたり、「思っていたより優しい人なんだな」と感じたり。

でも、それでも「また会いたい」が出てこない人もいました。いい人なのは分かる。誠実なのも分かる。でも、家に帰っても、その人のことを思い出さない。「次の約束、どうしよう」と考える時間のほうが、長いんです。そういうとき、「いい人」と「一緒にいたい人」は、少しずつ違うものなんだと、分かってきました。でも、そう気づいても、すぐに割り切れたわけではなかったんです。

微妙な出会いに、擦り減らないために

気をつけたいのは、「悪い人じゃないから」という理由だけで、なんとなく会い続けてしまうことです。私にも、覚えがあります。「一回で断るのは失礼かな」「もう少し会えば好きになれるかも」と自分に言い聞かせて、次の約束をしてしまう。

でも、気持ちは正直なんですよね。約束の日が近づくと、服を選んでもワクワクしないし、前日には「明日か…」と、小さくため息が出る。それでも「会えば変わるかも」と期待して出かけて、帰り道でまた迷う。その繰り返しでした。

あなた

悪い人じゃないので、断る理由が見つからないんです。

ひなた

「断る理由がない」と「また会いたい」は、別のものですよね。

あるとき、気づいたんです。相手は真剣に時間を作ってくれているのに、私は「好きになるかもしれない」という可能性だけで、引き延ばしている。それは、おたがいの時間を使ってしまっている、って。

もし今、微妙な出会いばかりで擦り減っているなら。(会うこと自体が毎回どっと疲れてしまう、というときは婚活のデートに疲れたあなたへ。)相手を一人ずつ見極める前に、出会う場所そのものを見直してもいいのかもしれません。見極めの腕を上げるより、「微妙かも」の我慢が始まりにくい相手と会うこと。順番は、それでいいはずです。

※会う場所のほうが原因かもしれません。
毎回そうなるなら、選ぶ入口から変える

よくある質問

Q. 会う人、会う人が微妙で、おかしいのは私だけですか?

いいえ、あなただけではありません。実際に会って「なんとなく違う」と感じることは、婚活では本当によくあることです。その違和感に気づけているのは、自分の気持ちに正直でいられている証拠だと思います。

Q. 2回目に会えば、印象は変わりますか?

変わることも、変わらないこともあります。私の場合、一回目は緊張で話しにくかっただけで、二回目のほうが自然に話せた相手もいました。逆に、二回目も気持ちが動かない相手もいました。一回だけで決めるのがもったいないと感じるなら、もう一度会ってみて、そのうえで判断しても遅くありません。

Q. 微妙なのに断れず、ずるずる会ってしまいます。

分かります。相手が悪い人ではないぶん、切り出しにくいんですよね。私も「もう少し会えば」と引き延ばして、かえっておたがいの時間を使ってしまったことがあります。区切りのつけ方と、断ることへの後ろめたさは、こちらも参考にしてみてください。

Q. 会う前から、なんとなく違和感があるときは?

その違和感は、我慢しなくていいものです。やり取りの中で「急かされているな」「距離が近すぎるな」と感じたら、それは自分を守るための大事なサイン。「考えすぎかな」と打ち消さずに、無理せずお断りする選択も、ちゃんとありです。

まとめ

会ったら微妙。そう感じる自分を、責めたことがあります。でも、微妙だと感じ取れるのは、心のセンサーが働いている証拠。会ってみないと分からないことがあるのも、当たり前のこと。

だから、その場で白黒つけようと焦らなくていい。一晩おいて、翌朝いちばんに浮かぶ気持ちを、そっと確かめれば大丈夫です。

そして、もし微妙な出会いばかりで消耗しているなら。責める場所を探すより、出会う場所のほうを、一度見直してみてください。

会うより前の、誰を選ぶかの段階でも同じように消耗していたなら。その手前の話も書いています。
毎日、人生のほうを選ばされているような気がしていた話