「結婚しないの?」と聞かれるのがしんどい。職場で笑って流していた頃の話
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昼休みが近づくと、少しだけ身構えている自分がいました。
今日は「結婚しないの?」が回ってきませんように。お弁当を広げながら、そんなことを考えている。仕事も、職場の人たちも、嫌いなわけではありません。それでも雑談の時間だけは、肩に力が入っていました。
その日も、こう聞かれました。
「最近どう? 彼氏できた?」
「全然ですよ(笑)」と返します。悪気なんて、まったくないと分かっていました。分かっているから、「その話は聞かないでください」とも言えなかったんです。
当時の私は、毎日アプリを開いていました。五、六人と同時にやり取りして、平日は仕事のあとに一時間くらい返信に使う。休日はもっと長く画面を見ていた時期もあります。それでも、結果は出ていませんでした。
頑張っていないわけではない。ただ、その頑張りを説明したところで、見せられるものが何もない。だから「婚活しています」と口にすること自体が、少し苦しかったんだと思います。
あの時間の何がいちばん重かったのかは、しばらく経ってから、ようやく言葉になりました。
① 悪気がないと分かっているから、行き場がなかった
もし嫌味で言われているなら、まだ気持ちの置きどころがありました。腹を立てるなり、その人と距離を取るなり、やりようがあります。
でも、あの質問はどれも善意でした。心配してくれている人もいましたし、単に話題として出しただけの人もいたと思います。だから、しんどいと感じている自分のほうが心が狭いような気がして、その感覚をどこにも出せませんでした。
責める相手がいない苦しさは、外から見えにくいぶん、長く残ります。「結婚しないの?」と聞かれてつらいと言えば、悪気のなかった相手が悪者になってしまう。それが嫌で、誰にも言えなかった人もいると思います。
② しんどかったのは、聞かれることより、そのあとだった
これが、いちばん言葉にするのが遅かった部分です。
一度「アプリをやっています」と答えると、そこで話は終わりません。次に顔を合わせたとき、こう聞かれます。
「この前会うって言ってた人、どうだった?」
一回答えると、そのあとがついてくる。それが職場でした。
友達なら、数か月ぶりに会って近況を話せば、それで済みます。触れてほしくないことは、その日の話題から外せばいい。でも職場は毎日顔を合わせます。前に話した内容を覚えている人がいて、続きを聞きたくなるのは、むしろ自然なことです。
覚えていてくれるのは、本来ありがたいことのはずでした。それなのに、覚えられているという事実そのものが、だんだん重くなっていく。うまくいっていない期間が延びるほど、その重さは増していきました。
つまり私が避けたかったのは、質問そのものではありませんでした。答えたあとに始まる、経過の報告のほうです。
進み具合を定期的に説明する。仕事ならまだしも、婚活でそれをやるのは、思っていた以上に消耗しました。
一度話してしまったので、今さら「言いたくない」とも切り出せなくて。
私も、まだ自分の中で整理がついていない話を、聞かれるのがしんどかったことがあります。
③ 説明できなかったのは、自分の中でも整理がついていなかったから
婚活は、何が起きるか本当に読めません。昨日まで毎日連絡を取っていた相手から、突然返信が来なくなることもあります。
私は、二回会った相手から既読無視されたことがありました。
「私の何がダメだったんだろう。」
「やっぱり魅力がないのかな。」
そんなふうに、しばらく自分を責め続けていました。相性の問題かもしれないのに、当時はぜんぶ自分の側の話にしてしまうんです。
何があったのかを話せば、たいてい「どうして?」が返ってきます。その「どうして?」に、自分でも答えを持っていない。
その状態で「この前の人、どうだった?」と聞かれて、笑って答えられる自信はありません。黙っていたのは、隠したかったからというより、まだ言葉にできていなかったからだと思います。
④ 励まされることすら、しんどい日がありました
「知られたら困る」の中身を、あとになって考えたことがあります。
噂になるのが嫌だったのか。気を遣われるのが嫌だったのか。どちらも少しはありました。でも一番近かったのは、うまくいかなかったときに説明したくない、でした。
そして、これは書くかどうか迷ったのですが——励まされることも、その頃の私には少し苦しかったんです。
優しい言葉なのは分かっています。ただ、結果が出ていない自分に向けられると、出ていないことのほうが確かになっていく感じがしました。
悪気のない一言でも、その日は仕事中ずっと引きずってしまいそうで。だったら、話題にしないほうが安全でした。
⑤ 友達には言えて、職場には言えなかった
仲のいい友達には、わりと何でも話していました。
「もう返信するのもしんどい。」
「アプリを開くのも疲れた。」
「またダメだった。」
このあたりまで、そのまま口に出せます。
職場は違いました。線を引いていたのは、相手の人柄でも、役職でもありません。弱っているところを見せられる相手かどうか。それだけだったと思います。
仕事をする場所と、うまくいかない自分を出す場所を、分けておきたかっただけです。
友達には言えるのに、職場だと急に口が重くなるんです。
相手によって話せる量が変わるのは、自然なことだと思いますよ。職場は、弱っているところを見せるためにいる場所ではありませんから。
⑥ 「今は特に何もないです」で、終わらせていい
私が実際に使っていた返しは、三つだけです。
「全然ですよ(笑)」
「何もないです。」
「そのうちですね。」
うまい返し方を研究していたわけではありません。これ以上は話さない、という線を引いていただけです。
「結婚しないの?」に対して、気の利いた切り返しを用意する必要はないと思います。しっかり答えれば、会話はそのぶん続く。続けば、また経過を聞かれる関係に戻ります。
たぶん職場の人から見た私は、恋愛にあまり積極的ではない人だったと思います。それで困ったことは、結局ありませんでした。
はぐらかしているようで落ち着かない、という感覚はあるかもしれません。私にもありました。ただ「今は特に何もないです」と言うとき、事実と違うことを口にしていたわけではないんです。どこまで話すかを、自分で決めていただけでした。
⑦ 婚活は、誰かに報告するためのものではないから
今でも、あの時期に話さなくてよかったと思っています。
婚活は、誰かに報告するためにするものではありません。結婚するためにするものです。だから、自分が安心して続けられる距離感を、自分で選んでいいんだと思います。
ただ、職場での雑談をやり過ごせるようになっても、アプリを開いたときの消耗はそのままでした。
あの頃、自分の気持ちを守れたおかげで、私は一度立ち止まれました。そのあと、たくさんの人とやり取りする婚活から、結婚を真剣に考えている人と出会える方法へ切り替えています。手をつけたのは、進め方でした。
同じ「話す」でも、職場の雑談と、婚活の進め方を見てもらうのとでは、別のことでした。職場では黙ったまま、進め方だけを人に見てもらう。私はそうしました。
面談を受けたその日に、入会は決めていません。
ここから先をどう動かすかで迷っているなら。naco-doを選んでから、婚活をどう組み直したか
当時の自分に声をかけられるなら、これを言うと思います。無理に話さなくても大丈夫。婚活は、自分のペースで続ければいい。
よくある質問
「結婚しないの?」にはぐらかしてばかりの自分に、落ち込みます。
落ち込む必要はないと思います。全部を話すか、何も話さないかの二択ではありません。「今は特に何もないです」は、どこまで開くかを自分で決めた結果です。相手を欺いたことにはなりません。
一度、職場の人に詳しく話してしまいました。まずかったでしょうか。
まずくはありません。ただ、そのあと経過を聞かれるようになったなら、そこで話す量を戻して大丈夫です。その日に話したい分だけ話せば、それで足ります。「今はちょっと動いてないんです」で、会話は続きます。
「そのうちですね」と答え続けるのが、だんだんつらくなってきました。
答えが毎回同じままだと、聞かれるたびに自分の現在地を確認させられているような気持ちになりますよね。状況に動きが出てくれば、同じ質問でも受け取り方は変わってきます。それまでは、短い答えのままで進めていいと思います。
同じ質問でも、親から来るときは重さが違います。親の「いい人いないの?」が、なぜここまで刺さるのか
報告する側になった友達に、素直な言葉を返せないときは、こちらも。「おめでとう」がすぐ出てこない自分を、責めないでほしい
聞かれる場面の外でも、しんどさが積み上がっているなら。黙って一度離れる、という選択