※この記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。

仕事から帰ったあなたが、部屋の電気をつける。テレビはつけたけれど、見てはいない。スマホを持ち上げても、開きたいアプリがとくにない。昼間は平気なのに、夜の何時間かだけ、部屋の静けさの質が変わる。ふっと、独りだな、と思う。

私がアプリを使っていた頃、同時にやり取りしていた相手は、常に五、六人いました。

あなた

誰かとつながっていれば、埋まると思っていました。

ひなた

同時に 五、六人とやり取りしていた月ほど、私はすり減っていました。

① 夜にだけ濃くなる、というのが厄介なんですよね

その孤独が面倒なのは、一日中つらいわけではない、というところだと思います。

あなた

夜になると、急に静かになるのがこわいんです。

ひなた

私も、家に帰ると何もしたくなくて、そのまま寝てしまう休日がありました。

あなたの一日は、たぶんこうです。朝は普通に起きられる。仕事中は考える暇もない。同僚とランチに行けば笑っているし、週末に友達と会えば楽しい。まわりから見れば、何ひとつ困っていない人に見えるはずです。だから誰にも言えない。言ったところで「贅沢な悩みだよ」と返ってきそうで、口にする前に飲み込んでしまう。

そして夜、部屋に戻ったときにだけ、それが来る。

② 私の画面の中には、いつも五、六人いました

数字を、もう少し細かく出します。

アプリを始めて、いいねが百件くらい来ました。落ち着いてからも、毎月四十から六十件は届いていたと思います。マッチするのが月に十五人から二十人。同時にやり取りしている相手は、常に五、六人。返信に使っていた時間は、平日で一時間、休日は一時間から二時間くらいだったと思います。

私のスマホの中には、いつも誰かがいたんです。返事を待っている人がいて、返す相手がいて、それが毎日でした。

そのうえで、もうひとつ足します。実際に会えたのは、月に一人か二人でした

③ それでも、私は消耗していました

画面の中に常に五、六人いて、毎日誰かに返していた。その時期に、私は消耗していました。

しかも、その理由は少し意外かもしれません。一番疲れたのは、出会えないことではなかったんです。出会うまでのやり取りが、終わらないことでした。

期待して、落ち込んで、また期待して。その繰り返しが、いちばん重かったんだと思います。いつのまにか「返信しなきゃ」が毎日のタスクになっていて、楽しくて開いていたはずのものが、片づけるものに変わっていました。

④ 人がいれば足りる、という話でもなさそうです

人が多い状態なら、私も経験しました。そのさなかにあったのは、終わらないやり取りでした。

人はいたんです。毎日。それでも、私はくたびれていました。

夜のその感じが「独身だから」「誰もいないから」起きている──そこまできれいに説明がつくものかどうかは、私は少し疑っています。

⑤ たくさんの人とやり取りするのを、やめました

では私がどうしたかというと、たくさんの人とやり取りするのを、やめました。そのうえで、結婚を真剣に考えている人とだけ出会える方法を探すことにした。それが、私が実際に選んだ道です。

あなた

でも、人を減らしたら、出会える可能性まで減りませんか。今でさえ何も起きていないのに。

ひなた

そう思いますよね。ただ、数字を並べるとこうなります。五、六人と並行していた月に、実際に会えたのは一人か二人。数字で見るかぎり、減るとしたら、会える数より毎日の返信のほうかもしれません。

⑥ 選ぶなら、人数ではないほうを

ここからは、選ぶときの話です。

選ぶ基準を「たくさんの人と出会えるか」にすると、私がくたびれたところに、まっすぐ着きます。増えるのは出会いの数ではなく、途中で止まるやり取りの数のほうだからです。

同じ数だけやり取りしても、そのあとが違う場所はあります。

中身の作りは、どうなっているのか。書いているのは、最後に相談所を選んだ側です。

アプリを絞る側の候補になるかどうか

夜の静けさが、いつのまにか「この先も結婚できないんじゃないか」に変わっていませんか。

起きる前の話として読む

一度動いてみて、それでも疲れが増えたなら。

その疲れは、動き方のせいかもしれない

⑦ 増やす側には、行かなくていいと思います

私に言えるのは、人が多いときに何が起きていたか、という一点です。起きていたのは、毎日ぶんの返信でした。

増やす側に行く理由は、少なくとも私には、思い当たりません。あとのことは、私が口を出すことではありません。

よくある不安(Q&A)

Q. 独身なのに孤独を感じるのは、おかしいことでしょうか?

「独身=自由で気楽」という前提が世の中に強いぶん、そこからはみ出した感情には、名前がつきにくいんだと思います。名前がつかないものは、自分でも扱いに困りますよね。名前がついていないだけの、ありふれた感じ方だと思います。

Q. 友達には言えません。「贅沢な悩み」と言われそうで。

この手の話は、相手が悪くなくても、うまく着地しないことが多いんです。既婚の友達は「早く結婚しなよ」に着地させたがるし、独身の友達には自分の不安として跳ね返ってしまう。どちらもあなたを傷つけようとしていない。ただ、この話題は着地点が少ないというだけです。

Q. 孤独を埋めるために婚活を始めるのは、間違いですか?

動機のほうは、何でもいいと思っています。私自身、二十九歳のときに軽い気持ちで始めましたし、立派な動機ではありませんでした。

気をつけたほうがいいのは、選び方のほうです。私の場合、届く数そのものが問題だったわけではありません。その一件ずつに返し続けて、やり取りが終わらなかったこと。くたびれたのは、そこでした。始めること自体は、止めません。

Q. 一人の時間は好きなんです。なのに寂しいのは、矛盾していますか?

「一人でいるのが平気」と「ずっと一人だと感じる」は、別のことを言っています。前者は今日の過ごし方の話で、後者は先の見通しの話ですよね。今日の夜を一人で気持ちよく過ごせる人が、同時に先の見通しを心細く思うことは、普通にあります。

人数では埋まらないと気づいたのが、いったん手を止めるきっかけでした。

婚活をやめたら楽になった、その軽さ

同じ静けさでも、十二月だけは街のほうから来ることがあります。

夜ではなく、クリスマスの街が重いなら

画面の中の人数ではなく、目の前の一人と向き合いたい――そう思ったときは、アプリの外の選択肢もあります。
"数"に疲れて、相談所naco-doに入会してわかったこと