周りが結婚していくと焦る30代へ。順番を待つのをやめた私の話
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三十歳の春、大学時代の親友から「急だけど、結婚することになったよ」ってLINEが来ました。「おめでとう!」ってすぐに返して。でも、トークを閉じた瞬間、胸がザワッとしたんです。
うれしい気持ちは、本当です。それなのに、同じくらいの重さで、別の何かが胸に落ちてくる。あの感じを知っている人に、この記事を書いています。
① 「おめでとう」の後で、少しだけ苦しくなる
あの春から、結婚報告が一気に増えました。婚姻届の写真、結婚式の招待状、年賀状の家族写真、次の年には出産の報告。ひとつ届くたびに、みんなが前に進んでいくのが見えて、私だけが同じ場所に立っている気がしていました。
一番こたえたのは、結婚式の招待状が届いたとき。「次は私の番って、いつ来るんだろう」って、ぼんやり思ったんです。
誤解しないでほしいのは、誰かを妬んでいたわけじゃない、ということ。友達の幸せは、心からうれしい。でも、心から「おめでとう」だけでいられない自分がいて、その自分のことが、いちばん嫌だったんです。うれしさと、置いていかれる怖さと、そんな自分への嫌悪。三つが一度に来るから、うまく言葉にできなくて苦しい。もしあなたが同じなら、それは冷たいからでも、心が狭いからでもありません。
おめでとうって言った後に、なぜか落ち込んでしまうんです。
私も、トークを閉じた瞬間に胸がザワッとしました。
② その焦り、どこから来ているんだろう
少し立ち止まって、その正体を見てみます。たぶんそれは、あなたの中から自然に湧いたものじゃないんです。
SNSを開けば、誰かの結婚報告。実家に帰れば、親や親戚の何気ない一言。テレビも雑誌も、どこかで「早いほうがいい」と言ってくる。そういう外からの声が、少しずつ積もって、「私は遅れている」という感覚を作っていく。あなたの弱さのせいというより、まわりの声を浴び続けた結果なんですよね。
私が人と比べすぎなだけでしょうか。
比べたくて比べている人は、たぶんいません。
数字の話を、少しだけ。国勢調査を見ると、三十代前半で結婚していない女性は、だいたい三人に一人。三十代後半でも、四人に一人はいます。厳密な割合は年によって少し動きますが、はっきりしているのは、「まだ結婚していない」のは、あなた一人のレアケースなんかじゃない、ということ。同じ電車に乗っている人の中にも、同じ職場の隣の席にも、たぶん同じ気持ちの人がいます。
③ 比べている“ものさし”は、本当にあなたのもの?
ここが、いちばん伝えたいところです。
「周りが結婚していく」とき、私たちは無意識に、他人のタイムラインに自分を乗せてしまいます。あの子は先に結婚した、この子にはもう子どもがいる。その一つひとつが「締め切り」みたいに感じられて、「私はもう過ぎてしまった」と思う。
でも、「次は私の番」の”番”なんて、実は最初から、誰も決めていません。順番待ちの整理券を配っている人は、どこにもいないんです。あなたが遅れているように感じるのは、他人の速度を、自分のものさしにしているから。そのものさしを、一度、自分の手もとに戻す。それだけで、呼吸が少し楽になります。
でも、早いほうがいいのは事実ですよね。
その「早いほうがいい」も、外から来た声かもしれません。
④ 焦って動くと、なぜ空回りしやすいのか
とはいえ、その気持ちをゼロにするのは難しい。だったら、焦りと動き方の関係を知っておくほうが、役に立ちます。
焦ったまま婚活を始めると、こういうことが起きがちです。相手をちゃんと見る前に、「早く埋めなきゃ」が先に立つ。条件で絞って、数で勝負して、たくさんの人とやり取りする。目的が「この人を知りたい」から「空白を埋めたい」に、いつのまにかすり替わっていくんです。
私にも、覚えがあります。日曜の夜、明日も仕事なのに、返信が止まった人のプロフィールを何度も開いては、「私の何がダメだったんだろう」と考えていました。期待して、落ち込んで、また期待して。あの繰り返しそのものに、いちばん消耗していたと思います。出会えないことより、終わらないやり取りのほうが、ずっとこたえるんです。だから、動く前に一度、立ち止まる時間がいるんです。
その時間が必要だと感じたら、休むことを先に置いてもいい。
⑤ 焦りと一緒に、それでも前に進みたいなら
「焦らなくていい」と言われても、進みたい気持ちがあるから、あなたはここまで読んでくれたんだと思います。だから、その気持ちを消すことより、抱えたままでも消耗しない進み方を考えます。
やることは、大きく二つだけ。ひとつは、まわりの結婚報告から、少し目を離す許可を自分に出すこと。SNSの通知を切る、比べそうになったら閉じる。逃げじゃなくて、自分を守る手当てです。
もうひとつは、進むなら「数で埋める」やり方から離れること。私が疲れていたのは、アプリそのものというより、大量にやり取りして数で勝負する使い方のほうでした。だから、手を広げるほど早いわけではありません。減らしたほうが、一件ずつに使える時間は戻ってきます。
⑥ あなたのペースは、あなたが決めていい
もし今日も、誰かの結婚報告に、少しだけ胸が重くなっていたなら、どうかこれだけ、覚えていてください。
周りが結婚していくのは、あなたが遅れているからじゃありません。ただ、比べるものさしを、他人に預けているだけ。それを自分の手に戻したとき、あなたのペースは、ちゃんと動き出します。急がなくて、大丈夫です。
Q. 周りと比べて落ち込む自分が、嫌になります。
比べてしまうのは、意志が弱いからではありません。SNSも周りの声も、比べるように作られているからです。責めるより、「あ、また比べてたな」と気づいて、そっとスマホを閉じる。それを何度か繰り返すだけで、比べる回数は少しずつ減っていきます。自分を責める前に、環境から少し離れてみてください。
Q. 親から「まだなの?」と言われるのがつらいです。
親御さんの言葉は、心配の裏返しであることが多いですが、言われる側はしんどいですよね。真正面から受け止めなくて大丈夫です。「考えてはいるよ」とだけ返して、話題を変えていい。親の時間軸と、あなたの時間軸は、別のものです。
Q. 焦って婚活を始めるのは、やっぱり良くないですか?
焦りをきっかけに動くこと自体は、悪いことではありません。問題は、焦ったまま「数で埋めよう」とすると空回りしやすいこと。動き出す前に一度、自分のペースを取り戻してからのほうが、同じ一歩でも消耗が少なくてすみます。
Q. 一人だけ独身でいることが、恥ずかしく感じます。
恥ずかしいことは、何ひとつありません。結婚しているかどうかは、あなたの価値とも、幸せの量とも、本当は関係がないんです。周りの人生が進んで見えるのは、その人の一場面を切り取って見ているだけ。あなたの人生も、ちゃんと同じ速さで進んでいます。
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